道草通信|12 

寒波がきて、去ったと思えば春のような暖かさ。もうすぐ立春とは言え、今年は暦の上だけでなく春が早くやってきそうな気配。
葉 月 2024-01-30 15:15:00
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  • 1/30までのある日の日記

  • 『庭には二羽にわとりが居ない』 スナップエンドウと梅

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1月のある日

わたしがよく行く森のある公園にはねこがたくさんいる、という話を森に行くたびに夫に話していたら、行ってみたいとのことで一緒に出掛けた。


ねこがたくさんいるのはごはんをあげる人たちがいるからで、公園としては生態系が乱されることを危惧して餌をあげないでと看板を設置している。それもとっても大切なことだし理解できる、でもねこたちの現状も気になって、どうとも言えない態度を取るわたし。

いつもねこたちに出会うポイント、ごはんをもらっているポイントを目指して歩く。今にも雨が降りそうな空模様で急ぎ足で歩く。いつものところで最初にであったのは黒ねこ。
ごはんをもらえると思ったのか、ニャーと鳴いて姿を現す。ひとしきりおしゃべりして(勝手にはなしかける)、次のポイントへ。途中ですごい鳴き声が聞こえてくる。声の聞こえる方へ向かうと、二匹が喧嘩をしている。それに駆け出す夫。いや、止めない方が…と思うも遅かった。二匹は散り散りに去っていった。それから広場へ向かうと三匹ほどが固まっている。みんな丸々としている。それを遠めに眺めて急ぎ足でまた歩く。
コースを選んで歩きながらはじめてこの森にきた夫に森の印象を聞いて、森の活動に参考になりそうなヒントをもらう。
ぐるっと回って最後におじさんが黒ねこにごはんをあげているところに出会った。ねこは甘えた声で鳴いて、おじさんもさぞかわいかろうという雰囲気。夫と目配せしながら無言で通り過ぎ駐車場へ戻ってきた。

ねこたちよ、すべてのねこたちよ、どうかしあわせであれ。

1月のある日

最強の寒波とともに友人親子がやって来た。
前日まで何で移動するかで相談。朝に友人が住んでいるエリアには雪がうっすら積もっていて、車はやめて電車で来ることにしたと雪景色とともにLINEが送られてきた。高速も凍ったり止まったりするかもしれず、それが最も安心。
わたしは早番の仕事。夕方に自宅の最寄りの駅で合流して帰宅。駅から自宅までは歩いて10分ちょっとだけれど、日常のほとんどの移動が車の子からすると歩くのはちょっと大変だったようで申し訳なかった。シーズンで最も寒い日だもんね…、風もビュービュー冷たかった。

帰宅して急いで薪ストーブをつけて、夕飯の支度。ねこたちは、案の定来客に驚いて部屋の奥の一番高い所へと駆け上っていった。お客様だけれど気を遣う相手でもないのでいつも通りの夜ごはん。なかしましほさんのレシピでうどんのフォーが好評、それから菜花と大根のアンチョビオイル蒸。かなりの偏食と聞いていた息子くんも食べてくれて一安心。

二匹はだんだん高いところから降りてきて距離を縮めそうになってはまた離れを繰り返していた。息子くんが持ってきてくれたおもちゃが気になるけど怖い…の葛藤が手に取るように見えて、申し訳ないけれどヒトは笑ってしまう。ほとんど来客のない我が家、めずらしくにぎやかな夜。けれど、みな早寝、夜が更けるまで語らうということもなく。

1月のある日

友人親子滞在2日目。いつも通り起きて夫のお弁当を作って見送る。そのうちに二人が起きてきて朝ごはん。慌てすぎて準備が足りなかったことに気付きしょんぼり。息子くんは持参したコンビニのお団子とスナックパンで満足してくれていたけれど。大人は簡単にパンとコーヒーで。ホームベーカリーでパンを焼いておいたのが友人には美味しかったらしく、よかった。ホームベーカリー、いい仕事してる。

特に出かけたいところもなく、我が家でのんびりしてから帰るとのことで、おしゃべりしたり、ちょっと慣れてきたねこたちと遊んだり、庭に出たりして過ごす。
お昼にはストーブでお餅を焼いた。それから昨夜のフォーの残りの出汁に白菜を足して味を調整してスープに。

そうして午後の早い時間にまた電車で帰っていった。お気に入りの「ひのとり」に乗るのだかと。きっと色々あるのだよね、あんまり話せなかったけれど、一緒にただ時間を過ごすことが必要だったのかなとも思ったり。少しは気分転換になったかな。わたしは会えてうれしかった、よ。
最寄りの乗り換えの駅まで一緒に行って見送って、買い物をして帰宅。
夜はオンラインで森の勉強会。疲れていたので迷う。少し昼寝をして起きたらやっぱり受講しようと思い、カレーを作って早めに食べて受講した。

時々こういう風なことが起きる。凪のように自分のペースで暮らしている日々で、意図せずぎゅーっといくつかの予定が詰め込まれる。もう少し平均的に分散してもいいのでは?と思うけれどそういう訳にもいかないことも分かっている。そうしてどれも大切なことだけれど、ちょっとだけえいやっという気持ちになる。えいやっと思わずにできるようになれたらいいなと思う。

1月のある日

そんなこんなで今週はシフトもなぜか詰まっていて、また働く。そして長芋をもらった。
おがくずに埋もれて送られてきた長芋。ながーいままの1本を持って帰ってもいいと。なんという!60~70センチ程はあるかな。長いままの長芋、2人だと買うこともなく、夫にも見せたかったのでそのまま包んで持ち帰ることにする。バッグから突き出した長い包みに慎重に動かねばと駅に向かっていたら夫から「お好み焼を食べにいこう」と連絡がくる。残業らしい夫を待つ必要があり、これを持ったまま時間を潰す…?と頭をよぎったけれど、お好み焼は食べたいし、そのまま本屋さんへ行ってスタバで本を読んで時間を過ごした。幸いにも電車は混んでおらず、邪魔になる長芋に”すいません”と頭を下げることもなくよかったよかった。
お好み焼き屋さんは金曜日で賑わっていた。二人とも翌日はまた仕事なので、その様子をどこか遠い世界のように感じ、お好み焼や鉄板焼きをもりもり食べて帰宅した。家で食事をする時よりも、外で食事をする時の方が、なぜか夫とゆっくり色んなことを話せるのだよね。

ながーい長芋は夫も驚き喜んでくれて、最も寒い玄関でひとまず保存(ただ置いてあるだけ)。

1月のある日

急に予定がぽっかりと空いた。そうなってみると本当にほっとしている自分がいる。延期になったことに対しても自分の心身の状態にしても、結果的にこれでよかったと思った。

イーストを使って発酵するタイプのパンケーキを焼いてもりもり食べる。パンケーキ、ふっくらしていい具合にむらなくきつね色に焼くのって難しい。何枚か焼いてフライパンが馴染んできた頃にいい具合になってくるけれどだいたいその頃にはもう焼き終わり。

お天気が良くて暖かくてどこかに出かけたいような、というか何かしなければ勿体ないような気がするけれど、実はわたしはどこにも出かけず布団に潜り込む日が1日ほしいという塊をずっと抱えている、と葛藤。
ふと思い立ち水道の栓を確認して、多めに開く。シャワーの水圧が低い、2か所同時に使うと一方が極端に減る、というのがストレスで調べたところ、止水栓の開きが小さい場合があるとあった。そのうち確認しようと思っていたのを思い出したのだ。随分と水量が増えたけれど、今度は開けすぎた模様、少し閉めねば。案外と調整がいることなのだな。
開ける余地はあるのにずっと少ない水量で使用していた我が家。どこをどのぐらい開くか、水道のメーターのチェックする人の裁量次第ということなのかな?

■庭には二羽にわとりが居ない スナップエンドウと梅

〇スナップエンドウ
ようやく支柱を立てた。つるなしを蒔くつもりがタネを買ったあとでつるありだったと気付いた。冬の風が強い我が家、支柱を立てるのが心配で、つるなしの方がいいかなと思っていたのだけれど、成長するつるは誰にも止められない。
よくあちこちの畑で見られる、束ねた藁を吊るす方法が冬の寒さ対策も兼ねていいのだろうけど、藁を買うのもナンセンスな気がするし、一度代用でススキを束ねてやってみたらわたしの束ね方が弱かったのか、風でどんどんほどけてしまったことがある。なので、支柱を立ててマメの周りにぐるっと紐を回して誘因する方法にした。
成長に合わせてひもの段数を増やすつもりだけど、そもそもの高さが低いので、生長点を切って、横に伸びてもらいたいと思っているけれど、またその時に確認しよう。
この寒波にも耐えて、今のところ順調な様子。花もまた咲いている。2月は暖かくなる予報がでているので、もしかしたら収穫がはじまるのかな。楽しみだな。

〇梅
梅の剪定について調べるために図書館に行って本を借りた。実用的な園芸本を1冊と、子どもの本のコーナーから一冊。この『そだててあそぼう ウメの絵本』がとてもよかった。

ウメの原産地のヒマラヤから(ヒマラヤとは思わなかった!)日本に渡ってきた来歴、主に食べるための実のウメは寒さに強いアンズと交雑することで北の方へ広まっていったこと、菅原道真の伝説、育て方もきちんと書かれていて、利用法も載っているという充実ぶりだった。全体を知ると、どんな風に手をかけてあげたらいいのか想像がしやすくなるように感じる。そうしてその植物の物語を知って、より理解が深まって親近感も沸く。
ひとまずは冬の剪定は3月までに間引きか切り返しというのをやるのがよさそうなのでやってみようと思う。
たくさんついている蕾がだんだんと膨らんできている。花を楽しみ、実をいただく。その恵みに感謝して。

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次回は2月9日(金)に配信予定です。

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